愛車への備えは万全⁉ゲリラ豪雨や地震などによる被害は自動車保険で保障されるの？

車を保有されている方は任意保険に加入されていると思いますが、近年増えつつある自然災害に対する補償はどのように準備をしなければならないのかご存じでしょうか。

地震や津波、雹や洪水など思い出したくもない自然災害によって車両に被害を受けた方は少なくありません。しかし、このような自然災害の場合、すべてが任意保険によって愛車に対する補償が受けられるわけではありません。

梅雨時期から夏が近づくにつれて、ゲリラ豪雨などによる愛車への被害が起こる可能性は高くなります。その為にも、任意保険による万が一の自然災害での補償について知っておいていただきたいと思います。

任意保険に加入していれば本当に安心？愛車への補償は？

大切にしている車を守るためには、万が一の時に備えて任意保険へ加入しておく必要があります。

しかし任意保険に加入していたからと言って安心していたら、加入内容によっては車への補償を準備しておらず結局自分の愛車を守れなかったというケースは実際に起こりがちです。

事故や自然災害から自分の車を守るために、まずは加入している任意保険の内容を確認し、愛車に対する補償がどうなっているのかを改めて確認しておく必要があります。

任意保険の内容は？愛車を守るなら車両保険！

万が一のときに愛車を守りたいなら、加入する任意保険では車両保険を付加しておく必要があります。

任意保険には相手への賠償として対人賠償保険や対物補償保険に加え、自分自身や同乗者に対する補償として人身障害保険や搭乗者障害保険などがあります。

そして愛車を守るために必要となる任意保険が車両保険となります。車両保険では万が一の事故による車両の損傷に対して補償される保険ですが、どのような場合でも補償されるというわけではないということをご存じでしょうか。

車両保険による補償内容は、すべての損害保険会社が統一しているわけではなく、さらに車両保険に対して保険金支払いの免責を設けている場合があります。特に災害に対しては免責を設けている損害保険会社が多く、車両保険に加入していればどんな場合でも安心できるというわけではありません。

車両保険に対する免責ってどんなものがある？

これから梅雨に入り夏が近づくと台風やゲリラ豪雨などによる水害が多く発生する可能性があります。そして忘れてはいけない愛車への備えが、増加傾向にある日本各地で発生している地震による車両損害です。

もしもの事故による愛車への損害に加え、ゲリラ豪雨や地震などの災害に対する車両補償がある損害保険会社もありますが、ほとんどの損害保険会社で保険金支払いの免責とされている補償内容が地震を含む天災による車両損害です。

保険金支払いに対する免責とは、該当する事案に対する補償は損害保険会社の支払いを免除するという意味であり、加入者は保険金を受け取ることはできなくなります。

たとえば2011年、未曾有の大地震が東日本を襲い多くの人命が失われ、損害も多く発生しました。その際の津波などによる被害では、全損を含む車両損害被害は約27万台とも言われています。

しかし当時の車両損害となった原因は地震や津波などであったことから、天災による車両保険の免責事項に該当してしまい車両保険の補償を受けることができなかったという事案が多発したようです。

地震や津波、噴火による天変地異の際には予想を大きく超える未曾有の損害が発生することから、それらの損害を加味した損害保険料設定が困難となります。

そのため、地震を含む津波や噴火による車両損害においては保険金支払いの免責となり、いくら車両保険の内容を万全にしていたとしても免責事項に該当する理由による車両損害には、車両保険では全く補償を受けることができなくなるということなのです。

東日本大震災をきっかけに原発事故による車両損害もありましたが、このような事象についても損害保険会社では保険金支払いの免責として設定されていることが多くなっています。

自然災害による被害から愛車を守れる？守れない？

ほとんどの損害保険会社では地震や津波、噴火などの天災では車両保険に対して免責を設けられていることはお分かりいただけたと思います。

しかし、災害による車両損害は絶対に補償されることはないのでしょうか。近年では梅雨から夏にかけて危惧されている線状降水帯によるゲリラ豪雨などによって、被害を受けてしまうことも多く発生しています。

そこで、水害による愛車への被害に対し車両保険によって愛車を守れる場合と守れない場合について、確認しておく必要があり自動車保険による車両補償への内容を良く知っておくことが大切です。

自然災害から愛車を守れる場合ってどんなとき？

どんな場合でも補償されるというわけではない車両保険について、事故以外においてどのような災害であれば補償されるのかを確認しておく必要があります。

まずは加入している車両保険がどのようなタイプであるのかということが重要となります。一般タイプやエコノミータイプと言われる車対車タイプのどちらであっても、一定の水害などにおいては同様の補償を受けることができるケースが多くなっています。

では、どんな自然災害であれば愛車に対して補償を受けることができるのか一般的なケースでご紹介したいと思います。

これらのように、水害を含む自然災害などの被害を受けた場合には車両保険によって定められた保険金額が補償されることになります。ニュースで耳にするゲリラ豪雨による被害には遭わないことが一番ですが、もしも被害にあってしまった場合には、車両保険によって設定されている保険金額の支払い対象となるということになります。

同じ自然災害でも特定の自然災害は補償されない⁉

水害で愛車が流されたといった場合、それが台風やゲリラ豪雨などによる洪水なのか津波が原因なのかによって、車両補償が適用となるかの判断が分かれることになります。

車両保険だけでなく火災保険にも言えることですが、地震や噴火など大災害になりうるケースの場合には、保険金の支払いは免責となり補償の対象外となってしまいます。

このように地震だけでなく火山の噴火による被害についても、車両保険の保険金支払いに対する免責事項に該当します。保険金支払い対象の免責に該当するということは、地震や火山の噴火によって被害を受けたとしても保険金は支払いされず保険によって愛車を守ることはできません。

日本各地で地震が続いているなか、いつどこで大地震による被害を受けるか予測できませんが、万が一のときには生命が最優先ですが、可能な限り財産である愛車も守りたいと思う方もいらっしゃるはずです。

では天変地異による被害に対しては何も愛車への補償準備はできないものなのでしょうか。実は加入する損害保険会社によっては地震や津波などに対しても車両保険の特約として補償をセットできる場合もあるので、ご紹介したいと思います。

地震や噴火による車両補償がある損害保険会社は？

火災保険には地震を原因とする火災が補償される地震保険が存在するように、損害保険会社によっては地震や噴火などによる被害でも、愛車に対する補償を付加できる車両保険が存在しています。

ゲリラ豪雨や台風による被害に加え、地震による車両損害に対しても補償が必要と考えるのであれば、いま加入している補償内容を改めて確認し直し、更新のタイミングで地震や噴火に対する補償をセットできる自動車保険への見直しを考えなけれななりません。

損害保険会社は多数ありますが、2011年の東日本大震災以降は地震に対する車両への補償を付帯できる特約が各社で販売されるようになりました。つまり他社へ加入し直さなくても、現在の内容を見直すだけで補償をセットできるケースもあるということになります。

損保ジャパン「THEクルマの保険」

損保ジャパンの自動車保険による車両保険では一般条件と車対車・限定危険の2パターンが販売されています。2つの補償内容の比較は下記のようになっています。

事故の例	一般条件	車対車・限定危険
他車との衝突	〇	〇
当て逃げ	〇	〇
動物との衝突	〇	〇
盗難	〇	〇
火災・爆発	〇	〇
台風・竜巻・洪水・高潮	〇	〇
落書き・いたずら	〇	〇
物が飛来・落下	〇	〇
電柱・ガードレールに衝突	〇	✖
自転車との衝突・接触	〇	✖
墜落・転覆	〇	✖
地震・噴火・津波	オプションで〇	✖
故障	オプションで〇	オプションで〇

一覧で確認してみると、梅雨から夏に向けて起こる可能性が高いゲリラ豪雨など大雨による車両被害に対しては、どちらの条件で加入していても車両保険に加入してさえいれば、もしも被害を受けた場合には決められた保険金額によって補償を得ることができます。

しかし地震や噴火、津波による被害への補償に対して備えるためには、一般条件の車両保険に加入した上で地震・噴火・津波車両全損時一時金特約を付加していれば、万が一のときには特約により一定の補償を受けることが可能となっています。

地震・噴火・津波車両全損時一時金特約は、設定されている車両保険金が支払われるのではなく、あくまで特約からの保険金支払いとなるため、補償金額は最高で50万円となります。仮に車両保険200万円と設定されていたとしても、地震による被害への補償とされ支払われる保険金は50万円となってしまうのです。

損保ジャパンの車両保険を知りたい方はこちら ⇒ 個人用自動車保険「THEクルマの保険」

東京海上日動「トータルアシスト」

東京海上日動火災では「トータルアシスト」という自動車保険が販売されており、補償内容によって一般条件とエコノミー車両保険の2つのパターンがあります。

事故の例	一般条件	エコノミー車両保険
ガードレール・電柱・自転車へ衝突	〇	✖
当て逃げ	〇	〇
車庫入れに失敗	〇	✖
墜落・転覆	〇	✖
他車との衝突	〇	〇
二輪車・原付との衝突	〇	〇
動物との衝突	〇	〇
火災・爆発	〇	〇
盗難	〇	〇
いたずら・落書き・窓ガラス破損	〇	〇
飛来・落下物との衝突	〇	〇
台風・洪水・竜巻・高潮	〇	〇
地震・噴火・津波	オプションで〇	✖

損保ジャパンと同様に東京海上日動でも、どちらの補償内容のタイプに加入していても台風や大雨などによる洪水に対する車両補償はありますが、地震や噴火、津波に対する車両補償は一般条件に加入し特約を付加することによって備えることが可能となっています。

一般条件に付加できるのは地震・噴火・津波危険車両全損時一時金特約となっており、やはり東京海上日動の特約でも50万円が最高額の補償金額となっています。

東京海上日動の自動車保険を知りたい方はこちら ⇒ 「トータルアシスト」自動車保険

ソニー損保の自動車保険

「保険料は走る分だけ」で有名なソニー損保では、保険料が安く設定されていることで知られています。車を保有し続ける限りは任意自動車保険に加入しなければならないことを考えると、保険料の安さは魅力的です。では肝心の補償内容はどうなっているのかを確認してみたいと思います。

事故の例	一般型	エコノミー型
電柱に衝突	〇	✖
自転車との衝突	〇	✖
当て逃げ	〇	✖
墜落・転覆	〇	✖
火災・爆発	〇	〇
いたずら・落書き・窓ガラス破損	〇	〇
飛来・落下物との衝突	〇	〇
他車との衝突	〇	〇
盗難	〇	〇
台風・竜巻・洪水・高潮	〇	〇
盗難	〇	〇
地震・噴火・津波	✖	✖
故障	✖	✖

ソニー損保の自動車保険でも、どちらのタイプに加入していてもゲリラ豪雨などによる被害は補償されることとなっています。保険料が安く設定されていても、他社と同様に大雨などによる被害などへの補償を持つことができるのは嬉しいことです。

ただし、ソニー損保では地震や噴火、津波に対する車両への補償とする特約は販売されていません。もしも地震などによって被害を受けた場合のリスクを考えるのならば、他社の自動車保険に加入し直すという方法を取ることになります。

ソニー損保の自動車保険を詳しく知りたい方はコチラ ⇒ ソニー損保「自動車保険」

【まとめ】ゲリラ豪雨や地震などの災害に対する補償が必要なら確認しよう

愛車への補償を考えるのであれば、任意保険への加入はもちろんのこと車両保険への加入を忘れてはなりません。ただし、車両保険に加入していたとしても必ずしも愛車を守れるとは限りません。

梅雨時期から夏にかけて毎年多くの被害をもたらすゲリラ豪雨による被害に加え、2011年の東日本大震災以降、増加傾向にある地震や津波に対する備えも必要だと言われています。

世界中で新型コロナにより大きな影響を受けていますが、地震などによる災害はどんな状況であっても待ってくれるわけではありません。自分自身への備えは自分自身で備える必要があり、愛車に対しても同様です。

これから梅雨を迎え、夏にかけてゲリラ豪雨への備えも必要となります。まずは身の回りの備えに加え、愛車への補償も確認してみてください。その際には地震などへの備えも視野に入れ、どのような補償に重点を置くべきなのかを考えてみてはいかがでしょうか。