ふるさと納税【初心者編】仕組みを知ってる?利用するときの注意点と利用方法

2008年から始まったふるさと納税は、開始当初より年々利用する人が増えていますが、ふるさと納税とはどんなものかご存知ですか?
まだふるさと納税を利用したことがない人にとっては、ふるさと納税とはどういった制度なのかをご存じない方も多数いらっしゃいます。もしかすると、ふるさと納税制度を間違って解釈して損してしまっているということはありませんか?
ふるさと納税の制度は何のためにあるのか、利用する場合の注意点やふるさと納税の利用方法について紹介します。

ふるさと納税って2008年からあったん?今更やけど俺よく知らんで



そういう初心者にもわかるように説明するから、最後まで聞いてくれたらわかるようになるで。
ふるさと納税の仕組みとは?


ふるさと納税は節税になるということは皆さんもよくご存知だと思います。では、ふるさと納税を利用することによってどのような節税に繋がっていくのかをご存じでしょうか。



選んだものが貰えて、税金が安くなるんやろ?めっちゃ得な節税方法やん。



めっちゃわかりやすい表現やな。
旦那様が言うとおり、確かに選んだものが貰えて、税金が安くなるのですが、もしかして支払ったふるさと納税の寄付金分の税金が減ると考えてしまってはいないでしょうか。



え…俺なんか間違ってる?ふるさと納税した分の税金が安くなるんじゃないん?



違うねんなー・・・
まずは、ふるさと納税を利用することで、どんなメリットがあるのかを仕組みを理解しながら考えてみてください。
ふるさと納税を利用してメリットがある人は誰?


まず最初に知っていただきたいのは、誰でもふるさと納税を利用すればメリットがあるというわけではありません。
「ふるさと納税は節税において役に立つ」ということは税金を払う人にとってメリットがあるということになり、税金を払う必要がない人にとっては、いくらふるさと納税を利用しても意味がないということになります。
- 税金を支払っている人はメリットあり
- 税金を支払っていない人はメリットなし
収入の有無ではなく、税金が課税されているかがポイントです。扶養内で働いていたり非課税世帯である場合には、ふるさと納税を利用しても寄付金控除を受けるための所得がないため、ふるさと納税で節税することはできません。
ふるさと納税の仕組み


本来、納税とは国や居住する自治体に税金を納めることとなっています。



え?国だけじゃないん?



所得税は国、住民税は居住する自治体やで。
しかし、過疎などにより地方と都市部の収税格差を埋めるために、居住地以外の自治体に寄付をして、その寄付金を税金として納めることができるようになったものがふるさと納税です。
ふるさと納税は好きな自治体への寄付金として納めることでが可能となりますが、その寄付金は税金として扱われますので、拡大解釈すればふるさと納税支払った金額は納めるべき税金の前払いということになり、所得税や住民税の計算時に控除される仕組みとなっています。
さらに嬉しいことに、ふるさと納税をした場合は寄付先の自治体から寄付金額の30%以内で返戻品を受け取ることができます。
- ふるさと納税で寄付をする
- 寄付先から返戻品を貰える
- 寄付した金額を申告することで、税金の計算時に寄付金額を差し引いて計算できる



例えば1万円寄付したら3,000円分の商品が貰えて、税金は1万円支払ったことになるってことなん?



簡潔に言うなら仕組みはそんな感じやけど、注意しとくことがあるで。



じゃあ俺は今年10万円ふるさと納税するわ!そしたら返戻品の3万円分の税金が得するんやろ?



ちょ…ちょっと待って!だから注意することがあるねんって!!
ふるさと納税で使う金額には注意しよう


自分で選んだ自治体にふるさと納税することで、所得税や住民税の計算時に寄付金控除を利用することができます。そして控除額は、ふるさと納税として納めた金額によって変わります。
つまり、ふるさと納税で寄付したお金は拡大解釈すれば税金の前払いとも言えますが、正しく解釈するなら所得税や住民税の計算をするときに所得から寄付金額を差し引いて税金の計算を行うということになります。
ここからは実際に金額なども考えながら、ふるさと納税の限度額について少し詳しく解説していきます。



医療費控除とかと同じ感じってことか?



そうそう!寄付金控除っていうねんけどな。でもその控除の話をする前に、自分がいくらまでふるさと納税できるか考えてみなあかんで。



え?金額って決まってるん?
2,000円までは実費負担、残りが寄付金控除額となる


旦那様が言うように、ふるさと納税として寄付した金額の全額を寄付金控除として使えたらいいのですが、残念ながら寄付した金額から2,000円を差し引いた金額が、所得税や住民税の計算時に控除額として計上することができることになっています。
50,000円分をふるさと納税した場合、48,000円が寄付金控除額となります。



全額じゃないのって何か嫌やな。



まぁ考え方にもよるんちゃう?
全額が税金の控除にならないのは残念ですが、ふるさと納税をすると寄付した先の自治体から返戻品というお礼をもらうことができます。その返礼品を2,000円で購入して、残りは寄付金額として税金の計算の時に控除として利用するという考え方をしてみることもできます。



2,000円で好きな物が貰えて、残りの金額は税金計算から差し引けるんやろ…あれ?でも貰えるのは30%以内の品なんやろ?でも2,000円で…意味わからん。



頭の中でゴチャゴチャになってしまっとるがな。
ちょっと整理してみぃや。
- 返戻品は寄付金額の30%以内で選んだ品物が貰える
- 寄付金控除を利用する場合は寄付金額から2,000円を差し引いた金額が利用できる



あ!返戻品と寄付金控除は別々に考えろってことかー!
ほんなら俺、小遣い貯めていっぱいふるさと納税したらバリ得するやん!



残念やけどそれは無理。収入が関係してくるからなぁ。
ふるさと納税を利用する意味がある金額はいくら?


「欲しいものもいっぱいあるし、節税に繋がるならたくさんふるさと納税をしよう!」
ふるさと納税の返戻品を調べると様々なものがあり、欲しいと思うものがたくさんあると思います。もしも、ふるさと納税を利用して節税しながら、たくさん購入(寄付)したらお得と考えてしまっているなら注意が必要です。



俺、そういうふうに考えてるけど…なんかあかんの?
ここに注意しなければならない人がいました。しかし、そんな甘い制度が存在するわけがありません。
所得や家族構成によって、ふるさと納税がで利用できる年間の上限額は決まっています
所得税や住民税についての利用できる控除額に対する上限額の目安は、総務省「ふるさと納税の仕組み」で確認することができるので、利用する際はよく調べておく必要があります。上限額を超えた場合には、超えた部分を控除額として利用することはできないことを忘れないでください。
確認してみるとサラリーマンなどの給与所得者の場合、収入額によって細かく上限額が設けられています。
年末になって思ったより収入が少なく「ふるさと納税の控除利用額をオーバーしてしまった!」ということがないよう、計画的にふるさと納税を利用する必要があります。



これが今度税金が計算されるときに税金から控除されるんやろ?
ほんなら俺、上限額いっぱいまで今年は使うわ!



ちょーっと待って!税金から差し引かれるんじゃなくて、所得から差し引いて税金が計算されるねんで!!



え?なんか違うん?
ふるさと納税を行い節税に繋げるには、所得控除として寄付金控除を利用することになります。税金を計算してから控除を利用するのではなく、税金を計算する前に所得控除を利用して課税所得を少なくすることが目的となるので、間違いのないように理解しておいてください。






実は簡単!?ふるさと納税を利用する流れはこんな感じ
ふるさと納税の利用で難しいことはほとんどありません。まだふるさと納税を利用したことがない人でも、ふるさと納税の利用方法から節税に関する手続きまでの流れがわかるように紹介します。
ふるさと納税の利用には、実は4つのステップだけで完了となるので初めての人でも安心して利用することができます。
年収を予測して、ふるさと納税ができる上限額を確認しよう


収入に応じて決められている上限を超えた場合、超えた部分の金額に関しては節税には利用できず全て自己負担となってしまうので、最初に自分自身の上限額を確認しておくことが必須です。



ってことは、年収を予想して上限より少なく利用するってこと?



よく気づいたな。そうやねん、だから限度額まで一気に利用したらあかんねん。
特に注意したいのは、報奨金制度を取り入れている会社などで、予定の収入を得られなかったといった場合に、予想した年収が下がったことで上限額も下がりので、自己負担が発生してしまうケースなどです。
総務省が発表している上限額の目安を見て、計画的に検討するようにしましょう。
応援したい自治体や好きな返戻品を選んで、寄付をする自治体を選ぼう


ふるさと納税は応援したい自治体や返戻品で寄付先を自分で選ぶことになりますので、まずはふるさと納税サイトを見てどんな自治体や返戻品があるかを確認してみてください。



カニ、肉、魚…何にしよかな。



食べ物ばっかりやん。食べ物以外にもいろいろあるねんで。
たとえば「ふるさとチョイス」というサイトでは、控除上限額の目安をシュミレーションできたり、寄付金額や欲しい物のカテゴリーから申し込むことができます。


ふるさと納税を取り扱っているサイトはたくさんありますので、ご自身にあったサイトを探して登録してみてくださいね。
寄付したい自治体や返戻品が決まったら申し込みをしよう


WEBで申し込み手続きが一般的となっており、ふるさと納税サイトからの申し込みには会員登録が必要となります。会員登録が面倒だと言う場合には、楽天ふるさと納税であれば楽天市場や楽天トラベルなどの会員情報を利用して、返戻品の配送先などを省略することが可能です。
WEBが苦手という方のために、各自治体ではメールや郵送、FAXなどから手続きが可能となっています。寄付しようとしている市区町村のホームぺージなどで確認し、ダウンロードした寄付申し込み書に必要事項を記載し申し込みする方法となります。
寄付金の支払い方法についても、振り込みの他クレジットカード払いや現金持参など複数ありますので、慣れない方でも安心して利用することができます。
寄付受領証明書は、確定申告まで大切に保管する


寄付先の自治体から申し込んだお礼の品が届くまでは数週間、長くて数ヶ月かかる場合があります。忘れた頃に届くというケースもあるようなので、申し込んでからは気長に待ちましょう。



何か月もかかったりしたら忘れそうやな。
申し込んだ品物を受け取ることも大切ですが、郵送で届く寄付受領証明書は確定申告で寄付金控除を利用するために必ず必要となるため、受け取ったら大切に保管しておく必要があります。



Venusちゃん、確か生命保険料控除の控除証明もどこいったとかって探してたよな。



ちゃんと保管してるねんで⁉ただ保管場所をいつも忘れる・・・
どうやって控除を受ける?確定申告やワンストップ特例制度


基本的には寄付金控除を利用して確定申告を行う必要があります。寄付受領証明書をもとに控除額を記載することで所得控除における寄付金控除を利用することができます。
しかし実はふるさと納税には、確定申告を必要としないワンストップ特例制度という方法も存在しています。ただし、ワンストップ特例制度を利用するには2つの要件を満たしている必要があることに注意しておいてください。
- 給与所得者であること
- 寄付した自治体が年間5つ以内であること
つまり、給与所得者であるサラリーマンであっても、多くの自治体へ寄付をしてしまっているような場合には、ワンストップ特例制度を利用することができなくなってしまうので確定申告が必要となります。
サラリーマンは年末調整で簡易的な確定申告は終わりますが、医療費控除や寄付金控除は年末調整の対象外となるので、ワンステップ特例制度で寄付金控除は終わってても、医療費控除などがある場合には忘れずに確定申告しなければいけません。





あ!覚えてるで。意外といろんなもんが医療費控除に使えるって言うてたやんな。
またワンストップ特例制度を利用し確定申告をしなかった場合には、住民税が決定された後きちんと制度が利用できているか確認するようにしましょう。もしも寄付金控除額が反映されていない場合は修正する必要があります。





所得税の計算から住民税が決まるっていうやつやろ?



よく覚えてるやん。


【まとめ】初心者でも簡単!!ふるさと納税をやってみよう
ふるさと納税は、税金を決める時に寄付金控除として税金の計算対象となる所得金額から差し引き、節税につなげることができる制度です。
年収などによって上限が決められているので、ふるさと納税についてよく理解してから利用することが望ましく、難しい制度ではないので、ふるさと納税の在り方について理解していれば初心者でも簡単に利用することが可能です。
- 非課税世帯に該当する場合は、ふるさと納税を利用する意味はない
- ふるさと納税が可能な上限額は収入などによって決められている
- 税金の計算する時に寄付金控除を利用できるものであって、現金が戻ってくるわけではない
- 2つの要件を満たせばワンストップ特例制度が利用できるが、基本的には確定申告が必要



なんとなく俺もわかったで。俺は最初の段階で間違ってたわ。ふるさと納税した分の税金が減ると思ってたからな。



そういう解釈してる人って結構多いねん。だから間違った利用の仕方をしないように気をつけて欲しいねん。
どうやら旦那様にも理解してもらえたようですが、皆さんはいかがでしたでしょうか。ふるさと納税を利用した経験がある方も、まだ未経験の方も我が家の旦那様のように間違った解釈をしていませんでしたか。
まだふるさと納税を活用したことがないという方は、ぜひ今年チャレンジして来年の確定申告で寄付金控除を利用してみてくださいね。
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